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副題 | 1995.1.17 災害映像が伝えるもの |
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著者 | 朝日放送テレビ 木戸 崇之 吉水 彩 |
定価 | 1,800円(税抜) |
発行年月日 | 2024年12月 |
判型 | A5判並製 280ページ |
ISBN | 978-4-908443-95-4 |
Cコード | 0036 |
刷り | 1刷 |
映像で伝える、「直下型地震のリアル」。
スマホでQRコードをかざしてみることができる407の映像。
2020年、朝日放送に残る取材映像の中から357をQRコードに起こした『スマホで見る阪神淡路大震災』を発行しました。
そして2025年1月17日は阪神淡路大震災が起こって30年。地元神戸でも実際に体験した人は半分もいなくなりました。地元版元として、地震災害の事を考えるために、増補版として本書を発行します。
増補版では、前著に加え、朝日放送に届いた当時珍しかったホームビデオで撮った映像と、撮影者に取材した情報を巻頭特集として掲載しました。新たに加わった映像は現場にいた人しか体験できないリアルなものであるとともに、まだメディアが現場に入れなかった数日間の様子が映っています。
30年前、困難な状況だったにもかかわらず、多くの被災者が真摯に答えた言葉の数々。「
こんな映像を撮っていいのか」と自問しながら撮影された映像。
そこには、災害映像がつむぐ未来への教訓が映っています。
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1995年1月17日5時54分、三連休明けの朝、地震記録を取り始めてから日本で最初に起こった震度7の地震。
三連休明けの朝、テレビが普及して初めて日本が経験した大災害でした。
同時に、この震災は発生の瞬間から、その後の復興プロセスまで映像でつぶさに記録された、世界で初めての大災害でもありました。
災害現場のシーンはもとより、現在では踏み込むことができない避難所内で被災者がどんな暮らしをしているのか、どんな助け合いが行われたのか、どんなトラブルが起こったのか、被災者がどんな感情を持っていたのか、食料が足りなくなって怒号が飛び交う中でも、罹災証明の判定に不服を言う状況でも、朝日放送テレビのカメラは回り続けました。
2020年1月、朝日放送ホールディングスは「激震の記録1995 取材映像アーカイブとしてwebで公開しました。
この中から映像を選び、QRコードにスマホをかざすことで見ることができるようにし、そこに当時の時代背景や現場の状況を文章で補足し、より深く理解できるようにしました。
<地図>阪神・淡路エリアとその周辺
・まえがき
・特集への思い
[巻頭特集]視聴者からの提供映像
・本書の読み方
【第1章 大地震発生 1月17日】
・発生の瞬間
・木造住宅が多数倒壊
・高速道路の橋桁落下 前輪が落ちたバスの運転手は
・在来線・私鉄の寸断
・新幹線の損壊
・臨海部で広がる液状化被害
・真ん中の階が壊れた市役所・オフィスビル
・一階がつぶれたマンション
・大災害・停電…懸命の治療
・始まった救助活動・自衛隊の動き
・共助…淡路島の救助活動
・大開通の陥没と大開駅の崩壊
・木造住宅密集地の大火災
・水が不足 消火活動難航
・西市民病院の救助「これは奇跡」
・震災初日からスーパーに大行列
・すし詰めの避難所
・発生当日は「おにぎり半分」
・ 初日からおにぎりがたくさんあった 淡路島の避難所
・ペットはどう避難したか
・遺体安置所がない
・火災を前に為す術のない住民
・夜になっても続く火災の中 車は渋滞
・寺社仏閣にも被害
・水が足りない
・地表に現れた活断層
・阪急伊丹駅崩壊
・火災の中を自転車で通る
・災害対策本部の中
・足りない公助の手
【第2章 混乱の中で 1月18〜20日】
・震災翌日に倒壊したビル
・怒号が飛び交った、避難所の食料配布
・水がなくなった街
・臨海部LPガスタンクのガス漏れ
・倒壊した高速の撤去
・国道を大移動する人々
・使える物は何でも使う
・地震から2日目 救助される人々
・時間差で起こった火災
・ライフライン復旧に各地から応援
・略奪されたらあかんから…
・仁川百合野町の土砂崩れ現場
・堤防も崩れた
・被災地に向かって線路沿いを歩く
・焼け跡で小銭を探す
・空腹を救ったのは「冷蔵庫のお肉」
・救助をめぐる葛藤
・災害時のお金の問題
・車に避難 車で避難
・ 娘を運び出した捜索隊に大きな声でお礼
・役場前に引かれた臨時電話
・船で神戸を脱出
・避難所で授乳する母親
・本当に困った避難所のトイレ
・仮設住宅建設が始まる
・阪神甲子園球場の被害
【第3章 懸命に生きた 1月21〜31日】
・ボランティアが入り始める
・ボランティア医師の活躍
・学びの環境
・東灘区西岡本で避難勧告
・鉄道の迂回営業
・代替バス運行開始
・西市民病院 深夜の診察
・震災孤児
・老人ホームの苦悩
・滞った救援物資
・被災地のペット
・お風呂に入りたい
・中国道開通も…新幹線代替バス渋滞で引き返し
・仮設住宅の申し込み
・バスレーン設置
・2週間ぶりの登校 あふれる教師の思い
・倒壊建物の解体受け付け
・本文に登場するその他の地震
・ボランティアが感心する住民たちの避難所運営
・線路を歩く人
【第4章 暮らしを取り戻す 2月】
・外国人たちの避難
・定時制の高校生たちの会話
・配達を続ける新聞販売店
・ダイバーが潜った神戸港
・理髪店の再開
・「間借り」して学校再開
・傾いた市営住宅解体前に荷物を取り出す
・避難所の閉鎖・移転でトラブル
・倒れたガントリークレーン
・目隠しして抽選
・長田区の「幸せ湯」
・罹災証明書の発行
・仮設住宅の当選発表
・石屋川車庫の惨状
・留学生は古い家に住んでいた
・地元大工場の被害
・倒壊家屋の撤去作業
・神戸市役所の内部
・張り紙と焼け跡にできたパラソル型たこ焼き店
・淡路の瓦工場に復興需要
・漁師たちの話
・トイレ掃除の高校生ボランティア
・「レンズ付フィルム」で被害を記録
・長田区の真陽小学校で授業再開
・人工島の通勤事情
・がれきの野焼き
・仮設住宅入居 喜びと別れ
・賑わうパチンコ店
・雪のちらつくテントで授業
・プールサイドで洗濯
・ポートアイランドでマンション横にがれき置き場
・避難所に間仕切り
・湾岸線の橋桁撤去
・章票はホンモノ? 交通規制に苦戦
・簡易メニューで給食再開
【第5章 再生への動き 3月~】
・菅原市場で一軒の本格店舗
・中学校の卒業式避難者から赤飯やお花
・電気機関車並走試験で復旧大詰め
・自衛隊災害派遣修了式
・80日ぶりに新幹線が営業運転を再開
・六甲ライナーが全面復旧
映像に関するお問い合わせ
あとがき
参考文献